ロゴについて


ロゴについて

この度、「株式会社H&L(ハル)」代表・長瀨将人さんのご依頼を承り、コーポレートロゴのデザインを作成させて頂きました。主に医療従事関連の派遣が軸だと伺い、私自身、様々な想いが巡りました。
私は2021年夏に新型コロナに罹患し、まさかの重篤化で左右の肺に穴が空き、瞬く間にウィルスで肺を蝕まれてしまいました。医者からは「いつ死んでもおかしくないので覚悟してください」「命が助かったとしても、重度の後遺症や障害が残り、通常の生活に戻るのは無理でしょう」と家族に告げていました。
肺の手術後は2~3カ月の昏睡状態が続き、目が覚めると喉元を切開され、喉元から肺に空気を流し込む人工呼吸器が付いていました。いつ死んでも不思議ではない、生死を彷徨う集中治療室での闘病生活の始まりでした。喉元を切開しているので、当然ながら話すことも飲食も出来ませんでした。栄養は全て点滴からです。
コロナ渦で家族との接触も許されず、完全防備の看護師さんたちが代わる代わるお世話に来てくれるのが唯一の「人」との接触でした。精神安定剤のような薬も投与されていた影響で、毎晩のように幻覚を見ては魘(うな)され、その度に気が動転し暴れていました。悪夢の日々でした。薬の副作用で精神も不安定だったのか、毎晩落ち着かない私を、看護師さんやリハビリや主治医の先生方が宥めてくれたのを覚えています。人工呼吸器を外し、6カ月のICUを経た後は2カ月のリハビリでした。計8カ月もの長い期間、私は医療従事者の方々にお世話になり、命を救っていただきました。
退院してからの1年間は鼻から酸素を吸いながらの生活、所謂「在宅酸素療法」で呼吸しましたが、現在は退院から3年が経ち、肺の後遺症は残るものの在宅酸素療法も無くなり、ほぼ通常の生活に戻りました。周りも驚くほどの奇跡的な回復です。本当に有り難いことです。
仕事も普通に出来ていますし、食事やお酒もほぼ通常に戻りました。大好きなライブやフェスにも復帰しました。私は多くの医療従事者の方々の「笑顔」と「優しさ」と「愛情」と「プロ意識」に救われ、今日(こんにち)まで快復できました。本当に毎日が感謝の気持ちでいっぱいです。
このロゴデザインのご依頼を頂いたときに、微力ながらですが、多くの医療に関わるであろう皆さんへのお手伝いと恩返しが出来るなら、と快諾した次第です。
このロゴデザインのコンセプトは、医療従事者の方々が安心してこの派遣会社「株式会社H&L(ハル)」へ身を預けられるよう、「笑顔」でお迎えし、お手伝いしたいという気持ちを込めたロゴデザインです。ハルの欧文表紙であるH&Lの「&」の字を擬人化し、優しく手を差し延べているように見えるデザインにしてみました。更にロゴ全体をパっと見たときも、笑顔をモチーフにしたことが分かる作りにし、ピンクの差し色で安心感と人の優しさ、温もりを印象付けました。
誰かのために手を差し延べることが本当に尊いことであり、命に寄り添う皆さんに多大なる敬意を表したデザインを作成させていただいたつもりです。
有限会社トリプルライン
代表 中川英祐